三徳山三佛寺(みとくさん さんぶつじ)
鷲峰山の登山口から峠を一つ越えれば三徳山である。ちょっとドライブ、ちょっと散策のつもりで足を延ばしたのだが、そんな甘い考えをはねつける厳しい参道がそこにあった。(2004/10/7)
登山(峯入り)心得】
このお山は、修験道の行場であります。そのため難阻の岩を這いながら、カズラやクサリを頼りに登るなど険しい箇所があり、特に運動靴など登山のできる服装が必要です。
(リーフレットより)
→脅しでも何でもなくて真実である。他にも注意点があるので公式HPをよく読んでチャレンジされたい。入山は3時まで受付け、下山は4時半までにしないと山狩り事件に発展することもあるそうだ。私はぎりぎり3時の入山でしかも1人だったから、登山候の格好をしていなければ断られたかもしれない。 →公式ホームページ
国宝 投入堂(奥の院) ただただ驚嘆!
概念図を見たうえで石段攻撃クリア。登山の受付の時刻が迫っているので大急ぎで通過である。さっきの丸木階段責めの後なので、すでに足がつらい。
登山受付でストックを預け、輪袈裟をかけた上にリュックをしょって出発。赤い格子を通って入山すると「忌穢不浄輩禁登山」とある。はい、私は大丈夫ですと返事する。
こんな所を木の根に捕まりながらよじ登る。写真左の茶色いものは土嚢で、ここは割に歩きやすいのだが、登りではわざわざここを避けて写真右のような所を歩いたためとんでもない苦労であった。しかも脚の長さ5センチもある蜘蛛に似た昆虫が多数歩き回っており、手を伸ばす先を確認しながらの匍匐前進である。周囲に人影がなく、道を間違えていないか不安が募る。
20分ほど格闘の後、文殊堂(重文)の足元にたどり着く。岩の上に建っており、クサリで上れるようになっている。木の回廊もそのまま、歩いていけるようになっている。誰も落ちる人間はいないのだろうかなどと余計なことを考えつつ、一応端まで行ってみるがとても落ち着いていられない。東の山の間から鷲峰山がちょっぴり顔を出している。
岩の上を伝わっていくと、ようやく先発のカップルに追いついた。くりぬいたような岩にすっぽり収まった観音堂(重文)の裏側を回り込んでさらに進む。
続いて投入堂が現れる。他の建築物に比べて非常に新しく感じられるのはなぜだろうか。送電線の鉄塔が山の地形に合わせて1基ずつ脚の形を変えているように、この建物も脚の長さを土台にジャストフィットに造ってある。ヘリコプターもない時代にどうやって作ったのか、やはり投げ入れたのだと考えたくなるような不思議さと、、それ以上に凛とした美しさが人を惹きつける。
こんな切り立った崖である。
大勢の頼りにされてつるつるになった木の根。
蛇足だが、受付は上も下も若い男の子だった。こういう産業(産業と言っていいかどうかはわからないが)で20代が活躍しているのを見るのはうれしいものである。HPの管理も彼らがしているのだろうか。